東洋医学で便秘とは

2015/05/25
ロゴ

東洋医学で便秘とは

    東洋医学では毎日お通じがなくても2~3日に一回きちんとあれば、それは便秘とはいいません。

便秘とは不規則になったりお腹がはったり量が少なかったりなど、苦痛をともなうものをいいます。

東洋医学では症状をなおすだけではなく、便秘になりやすい体質そのものを改善することを第一に考えて治療します。

  便秘には体質によって大きく2つのタイプが考えられます。

 〈お腹に熱がこもるタイプ〉
 胃腸の働きが活発になりすぎて、胃や腸に熱が過剰に集まり、その熱によって腸内の水分不足によっておこる便秘。

 〈お腹が冷えやすいタイプ〉
 お腹が冷えて腸の血流が悪くなったために、腸の働きが弱くなっておこる便秘。

    そして体質にかかわらず便秘の大きな原因にあげられるのがガマン。便意があるのにガマンをくり返していると腸のセンサーの感度がにぶくなり、さらに便秘が進むことになります。

  
 便秘のツボ 神門

  お灸の治療で便秘といえば神門というほど有名なツボです。腸の消化吸収の働きは自律神経の働きによってコントロールされています。

神門は経絡によって腸と同じルートでつながっているため、神門にお灸をすると乱れている自律神経の働きが正常になり、腸の働きも順調になって便秘の解消につながるのです。

      
女性に便秘が多いのはなぜ
  あるアンケートによると、20・30代の女性の3人に2人は便秘などの排便のトラブルの悩みを持っているそうです。なかでも多いのが便秘。

その原因としてあげられているのが日常生活のバランスの乱れです。

ダイエットのための朝食ヌキ、薄着による冷えの日常化、ストレス、かたよった食事、運動不足など、生活習慣そのものに原因があることが多いのです。

又、最近の原因のひとつにケーキなど甘いもののとりすぎがあげられています。甘味のとりすぎは筋肉をゆるくすることから、腸の緊張低下、運動低下がおこり便秘につながります。

  又、運動不足やダイエットによって腹筋が弱くなり、腸の働きを支える腹圧が不足することも便秘をひきおこします。

そして便秘で一番大きな原因としてあげられるのがガマン。女性の場合、ガマンしたくてしているわけではないことも多く、又、自分がガマンをしていること自体、意識していない人も多いのです。

ガマンすることが習慣となって便秘になるというのが女性の便秘の特徴なのです。

    便秘とさようならのために
  便秘の解消には、便秘のツボ、神門へのお灸を、そして朝食です。朝食後というのは腸の活動がいちばん活発になり便意をもよおすタイミングです、だから毎日朝食を必ずとって排便を試みること。

  大切なのは腸からのサインをキャッチしたら、ガマンをしない、それが便秘へのかしこい対応のしかたなのです。

正面のツボ

  • 天枢【てんすう】
    天枢【てんすう】
    おへその両わき外側へ、指幅3本ずれたところです。
  • 神門【しんもん】
    神門【しんもん】
    手のひらを上にして、手首の小指側手前にある骨の出っぱりと、手首のあいだにある深みの中にあります。(両手)
  • 足三里【あしさんり】
    足三里【あしさんり】
    膝蓋骨(しつがいこつ)のすぐ外側にあるくぼみから、指幅4本下がったところで、すねのふちにあります。

背中のツボ

  • 脾兪【ひゆ】
    脾兪【ひゆ】
    大椎(だいつい)から背骨を11コ下がり、そこから左右外側へ指幅2本ずれたところです。
  • 大腸兪【だいちょうゆ】
    大腸兪【だいちょうゆ】
    腰の左右にある大きな骨の上端を線で結んだ高さで、背骨をはさんで左右外側へ指幅2本ずれたところです。
  • 支溝【しこう】
    支溝【しこう】
    手のこうを上にして、手首の中心と肘頭とを結んだ線上で、手首から指幅4本上がったところです。(両腕)
  • 照海【しょうかい】
    照海【しょうかい】
    内くるぶしの下端から指幅1本下がったところで、痛みのあるところです。(両足)