ニュースレター 2021 5月
コロナ渦の影響もありますが、それでなくても何となくの不安感が続く人が多いです。
「その不安が何か? 具体的に言ってごらん」
と言われましても、生活のすべてと言うか、やはり「何となく不安」だとしか言えないものです。
こういう思いの中で暮らしている人が多いです。
禅では、このような心境を「冷えた心」が原因とします。
禅の言葉では、
「紅炉上一点の雪 」(こうろじょう いってんのゆき)
と表現します。
赤々と燃える焚き火の上に、ふわりと一片(ひとひら)の雪が舞い落ちてきたとします。
でも、焚き火に触れた瞬間に、雪は融けて蒸発します。
これがもし、「冷えた」岩の上に小さな雪が落ちた場合は、どうでしょうか?
小さな一片の雪でも、溶けずに冷えた岩の上に存在します。
更に雪が降って来ますと、その雪は岩の上に残ったまま積もって行くことでしょう。
いかがでしょうか。雪を、「悩み」と置き換えてください。
私達も、自分の心が冷えていれば、小さな悩みでも、そのままいつまでも心に残ったままなのです。
更に違う悩みが来れば、前の悩みと共にどんどん冷えた心に溜まって行くことでしょう。
これでは、いつまで経っても心は晴れず に、何となくの悩みが継続します。
では、どうすれば良いのでしょうか?
もし、自分の心が何かに一生懸命になって燃えていれば、小さな悩みが来ても、
「忙しいの!!」
で蹴散らします。
更に悩みが来ても、自分の心が燃えていれば、
「何クソーーっ!」「負けるもんか!」「それどころでは無いんじゃ〜〜」
と、乗り越えることが出来ます。
いかがでしょうか。やはり、自分の心が冷えていれば、悪いモノを溜め込むばかりで危ないです。
よく、悪いことが有っても「笑い飛ばす」と言いますが、これは真実です。
笑いは、お祓い、でもあります。
心が冷えていれば、無心で筋肉トレーニングも良いでしょう。
冷えた心には、どんな言葉も響かないものです。
それならば、運動での筋肉痛でも、熱い汗でも、冷えた心にプレゼントしましょう。
病気で寝ていましても、心に燃えるものが有れば大丈夫です。
心の火は、生命力を高めます。
燃える闘魂、情熱、も大切です。
そして、温かい心、思いやりの心、愛情を持つことも、自他の悩みを溶かすことが出来ます。
もし自分が、冷えた心に成っていれば、病み出すことに注意です。
心にも熱量が大切だと、知って頂ければ幸いです。
院 長